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"Korva"とはフィンランド語で「耳」という意味。なぜかスピーカーのことを考えてると幸せ。よい音とは何か、そして理想のスピーカーとは何かを日々考え追求しています。

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バックロードホーンと吸音材と情報量
下の画像は今開発中のバックロードホーン Torvi-C08 です。

torvi-c08


今回の記事は、吸音材を使うと情報量が増えるという、ちょっと変な話です。

下のグラフは、吸音材無しのTorvi-C08の中域(300Hz-9000Hz)の周波数特性です。
torvi-c08吸音材なし

次のグラフは、吸音材有りのTorvi-C08の中域(300Hz-9000Hz)の周波数特性です。
吸音材あり

一見して、吸音材有りの方が、ピークやディップが小さく、
平坦な周波数特性になっているのが判ります。

特に、吸音材無しのグラフの中央から少し右にある大きなディップは、
空気室内の定在波の影響だと思いますが、
吸音材有りの方では、このディップが無くなり、平坦になっています。
(吸音材有りの方では、空気室のほかに音道内にも吸音材を使っています)

では、なぜ、吸音材を使うと情報量が増えると言えるのでしょうか?
(音声圧縮技術の原理を知っている人は、
Korvaが言わんとしていることは、すでにお分かりでしょうが・・・)

吸音材を使うと、周波数特性が平坦になることは上のグラフから判りますが、
実は、周波数特性が平坦だと、情報量は増えるのです。
いや、増えると言うのは正確ではなく、
周波数特性が凸凹だと、情報量が減ると言うのが正しいですね。

では、なぜ、周波数特性が凸凹だと、情報量が減るのでしょうか?
簡単に言えば、大きな音がする場所では、
小さな音が聞こえなくなるという、
人の聴覚の特性に起因した現象があるからです。

例えば、静かな室内では、ひそひそ声でも聞こえますが、
大きな騒音のある工事現場では、ひそひそ声だと聞こえません。

スピーカーで言えば、周波数特性に大きなピークがあると、
それ以外の帯域の音は、ピークが無い場合に比べて、聞こえにくくなります。

ディップの部分が聞こえにくいというのは、解りやすい現象ですが、
大きなピークがあると、それ以外の部分が、
相対的に、ディップになるとも言えると思います。

つまり、情報量の問題は、解像度、トランジェント特性だけの問題ではなく、
周波数特性の問題でもあるということです。

そして、周波数特性に凸凹が生じる事で、
情報量が少なくなる現象は、他の方式より、バックロードホーンのほうが顕著なはずです。
バックロードホーンは、振動板背面の音も積極的に利用することで、
周波数特性に凸凹が生じる可能性が、他の方式よりも高くなるからです。
つまり、バックロードホーンは、吸音処理が他の方式より重要ということです。

しかし、実は、情報量が少なくなると、良い音に聞こえるという厄介な現象もあります。
そんな馬鹿なと思われるでしょうが、あるんですよね。

この問題についても、そのうち詳しく書こうと思っています。


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Torvi-C08 | 13:30:38 | トラックバック(0) | コメント(0)
バスレフダクトの質感

laulu08m


上の画像は先日完成した、TangBand の8cmフルレンジドライバー用の
標準バスレフ・エンクロージャー Laulu-08 です。
ウッドブロックで3点支持で浮かして聴いています。
ドライバーは、TangBandの W3-593SG です。

Laulu-08を聴きながら、つらつら考えたことなどを少々・・・

このLaulu-08は、なかなか低音の質感が良く、
振動板の音とダクトの音が、音色的な違和感がなく、上手く繋がっているようです。

バスレフが効く帯域でも、「ブー」とか「ボー」とかのバスレフ的な単調な音ではなく、
小生意気に、楽器の音色を感じさせるソリッドでエッジの効いた表現をします。

そして、Laulu-08の低音の質感の良さの理由は、エンクロージャーの設計にあると思われます。
このエンクロージャーは、容積が4.5リットルで平均的ですが、
バスレフダクトの開口面積は6.6cm2で、長さは2.7cmとやや小さめです。

ヘルムホルツの共鳴の話は、ここでは割愛するとして、
バスレフエンクロージャーは、空気バネとダクトのマスからなる共振系です。
そして、ダクトは空気バネを介してドライバーによって駆動されます。

軽いものは動かしやすく、止めやすい。
重いものは動かしにくく、一旦動き出すと止めにくい。

これは、ダクトと空気バネにも当てはまるのではないでしょうか?
小さなダクトと小さな空気バネは、動かしやすく止めやすい。
つまり、トランジェント特性が良い。
反対に、大きなダクトと大きな空気バネは、動かしにくく止めにくい。
つまり、トランジェント特性が悪い。

そして、小さく軽いダクトを硬いバネを介して駆動するのと、
大きく重いダクトを柔らかいバネを介して駆動するのは、
どちらがトランジェント特性が良くなるかと言えば、もちろん前者です。

大きな容積と大きなダクトを持つエンクロージャーの低音は、
比較的 表情が乏しく、癖も強く感じます。
それは、ダクトの出力が強いのと、ダクトの音色が単調だからだと思います。
そして、音色の単調さは、共鳴する周波数の帯域が狭く、特性がピーキーなので、
サイン波に近い波形しか再現できないので、振動板の音と異質な感じがするのだと思います。

それに対して、
小さな容積と小さなダクトを持つエンクロージャーの低音は、
比較的 表情があり、癖も少なく感じます。
それは、ダクトの出力が弱いのと、共鳴する周波数帯域が広く、特性がブロードなので、
違う周波数のサイン波の組み合わせによって、ある程度 音色の再現が出来るので、
それほど振動板の音と異質な感じがしないのかもしれません。

FM音源によって色々な音色が作れるように、
ダクトの共鳴する周波数の帯域が広いほど、ある程度 音色の再現ができ、
表現力が豊かになるはずです。

しかし、ダクトを軽く空気バネを硬くするということは、
エンクロージャーを小さくすると言うことであるので、
そうすれば、中・高音の伸びやかさは失われ、
ダクトの出力も小さくなるので、低音の量感やローエンドの伸びも失われます。

結局のところ、エンクロージャー作りは、どこでバランスを取るかということであり、
何々であれば何々であるほど良い、ということは無い世界ですので、
常にこれで良いのだろうか?というモヤモヤからは逃れられません。

まとまりのない話でしたが、
長岡鉄男氏も晩年は、エンクロージャーの板にドリルで穴を開けただけの
小さなダクトのエンクロージャーなどを作っていたようですし、
メーカー品も、総じてダクトが小さいのは、理由の無いことではないのかなぁと思います。


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Laulu-08 | 23:55:29 | トラックバック(0) | コメント(0)

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