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Korva

Author:Korva

コルバのブログへようこそ♪
"Korva"とはフィンランド語で「耳」という意味。なぜかスピーカーのことを考えてると幸せ。よい音とは何か、そして理想のスピーカーとは何かを日々考え追求しています。

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Monolith-E10 特装版
画像が逆光なので見にくいですが、
先日、納品させていただいた Monolith-E10 の特装版です。

monolith-e10_20190225


木目模様で、シックな感じです。

8cm版の Monolith-E08 より、2回りほど大きいので、
組み立てるのも、結構 大変ですが、
これは、組み立てより、塗装に時間がかかりました・・・

monolith-e10bd


blue*drop のエンブレム付です^^
小さい部品ですが、結構 手間がかかります。


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Monolith-E10 | 12:07:31 | トラックバック(0) | コメント(4)
Tang Band W4-927SEF がとても良い
デュアル・バックロードホーンの Monolith-E10 用に、
10cmフルレンジ・ドライバー W4-927SEF を購入してみました。

w4-927


W4-927SEF は、Tnag Band による、10cm 口径の フルレンジ・ドライバー です。
フレーム は、ラウンド・フレームでルックスが好く、
黒く着色された ポリプロピレン (PP) のコーンと、金属製のフェイズ・プラグが、
精悍な印象を与えます。

フレムーは、アルミ製のダイキャストで 強度が高く、高級感があります。
振動版の背面もダンパー背面も、気流抵抗が少なくなるように広く開口しており、
構造的にも、非常に優れたものだと考えられます。

このドライバーは、やや攻撃的なルックスに見えることから、
ポップスやジャズに合いそうな、元気な音が出そうな印象を与えますが、
実際の再生音は、「個性が無いのが個性」とでも言えそうな、
癖や色付けの少ない、モニター・ライク な音がします。

このドライバーを最も特徴的づける外観は、
滑り止め付きの鉄板の模様のように見える、
おそらく コーンの剛性を高めるために設けられた、
ルックス的に あまり美しくはない「リブ」ですが、
このリブは、このドライバーの音質的な美点には、
非常に貢献しているものと思われます。

PPコーンは、小口径ドライバーの振動版としては、
音質的・音色的に非常に優れたものだと感じますが、
ある程度の口径になると、強度的な問題が生じるのか、
音から、ぱりっとした「張り」のようなものが失われます。
その対策として、リブ加工が施されているのだろうと考えられます。
とは言っても、10cm程度の口径なら、PPコーンであっても、
振動版を厚くすれば必要な強度を得られるはずですが、
その場合は、ハイ上がりの特性にはなりにくいはずです。
ちなみに、W4-927SEF の mms は不明ですが、
同じコーンを使用し、磁気回路が違う、W4-927SC というドライバーの mms は、
3.45g と非常に軽くなっており、やはり、振動版が薄く強度が低いことから、
リブを形成することによって、必要な強度を得ているのだと考えられます。

人によっては嫌悪感を感じそうなルックスの この振動版は、
音質的に非常に優れたものであることは、聴感上は明かで、
軽やかさと重厚さ、ダイナミックさと静けさ、温かさとクールさなど、
両立の難しい、音の矛盾した要素が、融通無碍に表現され、
ある種の万能さを感じさせます。

この音は、PPの柔らかさと内部損失の大きさ、
リブ加工によって得られる強度の高さ、そして、その強度によって実現できる薄さと軽さ、
つまり、「薄さ、軽さ、柔らかさ」と「強さ」という矛盾した要素の両立によって、
もたらされるものだと感じます。

小口径フルレンジ・ドライバーの振動版として、
リブ加工などの補強を施した、薄くて軽量な PPコーン というのは、
最終的な解答の一つになりえるものだと感じます。

しかし、樹脂製品は、不純物の混入などが影響するのかもしれませんが、
経験的に、品質によって寿命の長さが極端に違います。
この製品は中国製であることから、寿命の長さについては、若干の不安が残ります。
例えば、日本製の樹脂製品と比べると、
10倍程度の寿命の差があることも、特に珍しくはありません。

私は、このドライバーの ややハイ上がりの周波数特性が、
バック・ロード・ホーン(BLH) に適合しそうだと思い購入したのですが、
実際に、BLH との相性は良いようです。

しかし、ハイ上がりとは言っても、ポリプロピレンの材質的な特徴なのか、
耳が痛くなるような、ヒステリックで激しい音は出ませんし、
聴感上は、本当にハイ上がりなのか疑わしくなるような、
全域に渡ってフラット感のある、素直な再生音です。

そして、周波数特性上の、聴感的に目立つピークや
音色的な雑味や、共振性の付帯音など、音楽への没入を妨げる要素が少なく、
このドライバーは、音楽を聴くためのツールとして優れたものだと感じます。

PPコーンは、比較的 内部損失が大きいためか、ペーパー・コーンなどに比べると、
微小信号の再現性や繊細さの表現に劣るように感じますが、
その分、神経質な音色にならず、落ち着きと深みのある音色が得られます。
この辺りは、一長一短で、好みやソース、用途などにより、評価が分かれるものなので、
どちらが優れているかの判断は難しいでしょう。

そして、神経質な音色になりにくいということは、
BLH に適合するような、ハイ上がり気味の特性にした場合、
他の材質の振動版に比べて、ヒステリックな音になりにくく、
音色的な瑕疵が生じにくいということでもあることから、
PPコーンというのは 意外と、BLH 向きの振動版かもしれません。

それぞれの帯域を見ていくと、中域は、ほぼ完璧といってよく、
音色的な色付けの少ない、非常に正確な音を再生します。
かなり意地悪な聴き方をしても、瑕疵らしい瑕疵は見当たらず、
この個性的なコーンの完成度の高さを感じさせます。

ボーカルの再生は、PPという材質に由来する音色的な優しさや温かさがありながらも、
ハイ上がりの特性に由来する、快活さや爽やかさ、透明感も兼ね備えており、
矛盾した音の要素を、このドライバーは、上手く両立できています。
W4-927SEF は 10cm 口径であることから、
8cm口径では少し細く人工的になりがちな男性ボーカルも、自然な太さを備えていますし、
女性ボーカルも、特性的・音色的な相性が良く、非常に優れています。
一般的にハイ上がりの周波数特性は特性は、
冷たく人工的なボーカル再生をもたらしますが、
W4-927SEF は、クリアーかつナチュラル なボーカル再生を実現しており、
ボーカル再生という点において、このドライバーは、最良の物の一つだと感じます。

ボーカル再生に限って言えば、PPコーンから再生されるボーカルは、
ペーパー・コーンで感じる、かさつき感などの雑味、
または、メタル・コーンで感じる、共振性の付帯音などが少ないためか、
いかにも機械から再生されている音という印象が少なく、
現時点で ポリプロピレン は、人の声と最も相性の良い素材だろうと、私は感じています。

低域は、筋肉質で硬く、躍動感があり、
軽い振動系を強力なモーターで駆動することよって得られるタイプの、
ダイナミック・レンジの広さを感じさせる低音です。
磁気回路は、10cmドライバーとしては 比較的 大きく、
ボイス・コイル径も 25mmと、10cmドライバーとしては大きめなので、
かなり大きな BLH エンクロージャー でも 軽々と駆動し、
なかなか凄みのある低音を再生してくれます。
おそらく、コーンに設けられたリブも、コーンの強度を高めることによって、
低音の硬さや力感の向上に貢献しているものと思われます。

Tang Band のフルレンジ・ドライバーは、どのドライバーのスペックを見ても、
20kHz を超える、可聴域外の音を再生する気が無いのか、
比較的 大きなボイスコイルを採用する傾向があるように感じますが、
そうすることで、モーターの駆動力を向上させることができることから、
小口径ながら、力強い低音が期待できます。
この辺りの判断は、音作りにおける、Tang Band のバランス感覚の良さを感じさせます。

しかし、大きなボイス・コイルを使った場合、
原理的には高域特性が悪くなるはずですが、
W4-927SEF は、ボビンが露出した構造であること、
そして、おそらく振動系の質量が小さいことから、
高域の不足も免れており、前述のように、
ハイ上がり気味の周波数特性になっています。

コーンの背面を見てみると、
コーンの中心部にダンピング剤が塗布されていますが、
これは、高域の量を抑え、ハイ上がりになり過ぎないように、
という意図があるのかもしれません。

振動版は、センター・キャップを持たない 一枚のコーンなので、
高域の音色も中域と共通していおり、フルレンジ・ドライバーの高域としては、
雑味や煩さが少なく、音色的にもニュートラルです。
何度も同じことを言ってしまいますが、特性的にはハイ上がりなのにも関わらず、
軽薄さや、ヒステリックさ、はしゃいだ印象などは無く、
落ち着きのある自然な高域だと感じます。

しかし、アルミ製のボビンが露出した構造であるためか、
高域に少し金属的な硬さがあり、時々、子音が鋭く響くことがありますが、
中域と高域の音色的な繋がりに、違和感は殆ど無く、
特に問題にするほどのことではありません。

そして、この「子音が時々鋭く響く」という僅かな欠点のみが、
このドライバーの、重箱の隅をつつくようにして探して感じることのできる、
ほとんど言いがかりに近いレベルの欠点ですが、
聴く人の好みによっては、これはむしろ、音色的な好ましさだと感じることもあるはずです。
なぜなら、高域に潜む少しの鋭さは、音のエッジが立ちにくいPPコーンの音に、
必要なエッジを立てることができる要素でもあるからです。

フルレンジ・ドライバーというものは、機械としては、作るのは比較的 簡単で、
しかし、完成度を高めるのが非常に難しいタイプの機械だと思いますが、
この W4-927SEF は、稀に見る完成度の高さを有しており、
10cmフルレンジ・ドライバーとしては、おそらく、最も完成度の高いものの一つだと感じます。
そして、このドライバーに比肩する完成度を備えた10cmフルレンジドライバーは、
それほど多くはないだろうと思います。
再生機器は原理的に、完璧を達成することはできないので、
このレベルの完成度であれば、10cmフルレンジ・ドライバーとして、
実質的に完璧だと言ってよいかもしれません。

名器といわれるものは、ある種の個性を備えたものが多いと感じますが、
個性らしい個性が無いこのドライバーも、完成度の高さということでは、
名機だと言って差し支えの無い逸品だと感じます。

Tang Band にはセンスの良い設計者が居るのか、新興のメーカーなのに、
比較的 短い期間で、よく このような完成度の高い製品を創れるものだと感心します。
もっとも、これは単に、
Korva の耳と このドライバーの音の相性が良いだけかもしれませんが・・・



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フルレンジ | 12:03:17 | トラックバック(0) | コメント(6)
Monolith-E08 マイナーチェンジ そして 完成
Monolith-E08 を マイナーチェンジしました。

monolith-e08_20181012


既に設計は出来上がっていたのですが、
心がグッタリしていて、なかなか製作に取り掛かれませんでした。

少し前に、台湾の方から、あるリクエストのメールをいただき、
疲労と多忙さから、残念ながらお断りさせていただいたのですが、
Korva のスピーカーを褒めていただいたので、
少しやる気が湧いてきて、やっと組み立てることができました(笑)
お互いに敬意を持って接することができる国の方とのやり取りは、
楽しいものですね。

実は、妻の入院中に、
「パラレル・バスレフの実験から得られた知見を、Dual BLH にも応用できるのではないか」
という考えが湧き上がってきて、
既に完成していた Monolith-E08 をいじって実験してみたところ、
音質的にもバランス的にも、かなりの改善が見られました。
そして、その結果を設計に取り入れたのが、
今回 製作した Monolith-E08 です。

前回の Monolith-E08 は、少し先入観に囚われた設計だったためか、
癖は少ないのですが、しばらく使っているうちに、
低音の硬さと力感が少し足りないような印象を受けるようになりました。
しかし、今回の設計の変更により、
前回の Monolith-E08 で感じていた欠点が、全て解消されました。
予想以上の結果でした。

経験と勘により、当りを付けるような設計も、なかなか有効だと思いますが、
やはり原理的なことを発見し理解しなければ、
ブレイク・スルーは、なかなか起こらないのかもしれません。
考えてみれば当たり前のことであっても、
仮説→実験→検証 を通して、結果を確認するまでは、
人の意識は、やはり先入観に囚われてしまうようです。

今回マイナー・チェンジした Monolith-E08 の再生音は、鮮明かつ重厚です。
8cmフルレンジ・システムで重厚なんて言うと笑われそうですが、
この Monolith-E08 の低域の厚みと伸びは、8cmフルレンジとは思えません。
低域の質感は、硬く、エッジが立っていますし、力感が漲っています。
低域の音階も明確で、欠点を感じません。
8cmフルレンジで、フルオーケストラを楽しく聴くことができますし、
音楽を聴くことが楽しいシステムです。

久々に満足感のある作品を創ることができました。
エージングで、さらに音がこなれてくるのが楽しみです。


今年のヘブンリー・ブルーです。

heavenlyblue_20181012


二階のベランダまで登ってきました。
良い色ですね・・・
寒くなってきましたが、まだまだ元気に咲いています^^



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Monolith-E08 | 13:52:05 | トラックバック(0) | コメント(9)
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